2015.03.30

OMM参戦記「2日目」

飯島 浩

 

UK発 「山の総合力」が試されるマウンテンレース

食指をそそられるキャッチコピーから始まるOMM JAPAN RACEhttp://theomm.jp/?page_id=1063(11月29.30日東伊豆町で開催)に参加してきた。

2日目
夏用シュラフにビビイをシュラフカバーとして使ったが正直暑かった。もっと薄いシュラフで良かった。寒さに備えていたがオーバー気味であった。テントは暖かいので、この効果と合わせるとウエアやシュラフの軽量化が図れ実質的な装備の重量は抑えられる。ウエアも完全に乾き十分な休息もとれて体調万全。松浦君は腰の様子が芳しく無いようだった。走力の差、体調の良し悪しは荷物の分配で調整できる。ここは私が共同装備を持つべきだったと反省。
起床から食事そして撤収までは意外と時間のかかるもの。1時間では無理。1時間半はみておかないとかなり忙しい。実際指定のスタート時間に間に合わないチームが結構あったとか?
スタート順は一日目とは逆順となり7:27スタート。イメージとしては昨日のコースを小さく逆周りする感じ。ざっと見た所ナビゲーション的には易しいがコース取りの選択が明暗を分ける設定となっていた。オリエンテーリングマップの様に通行可能度は示されていないので、読み取れるのは等高線の密度が一番の情報。最短コースを狙うのか?安全をみて道路を使うのか?最短距離を選んだ結果、藪、倒木で大きなロスが生じたり・・かなり賭けの部分もある。後で聞けば我々のチームは無駄が多かった印象。もっと攻めで行った方がよかったのか・・・
すっかり雨も上がり最高の天気。浅間山辺りから見下ろす街や海がたまらなく爽やか。そう!昨日からずっと楽しくて仕方無い。他のチーム(同時開催のスコア部門)と度々すれ違うのも楽しいし、コース選択した進路をドキドキしながら突き進んだり、思った通りの所にポストが現れたり・・・レース中の様々な事全てが楽しい。ちょっと今までで無かった感覚かも?2日目もスタート直後からテンション上がりっぱなし。
今回一ヵ所のポイントがスタート前の発表でスキップされる事となった。具体的には5、6、7、8と進むべき所が5、7、8となった。結果として主催者が当初意図したコース取り以外のバリエーションが生まれる事となった訳だ。つまりは主催者の想定したルートとは5、6、7を結ぶラインであって5から7は全くの想定外であったはず、つまりそのラインに関しては調査していない(はず)。この選択はかなりのリスクを負う。そう判断したが?トップチームはその最短ルートを選んだのだとか?やはりルート選択は難しい。
今回は基本的に私がナビゲーション担当で進んだがたまに狂うのが難点。そこは松浦さんの補足情報が絶妙のタイミングで入る。標高差、距離、さらには間違った方向に進んだ場合も・・・何回助けられたか?
そして一番緊張した「8」。細かい尾根、沢が沢山あり一旦中に入ると位置の特定が難しくなる。手前の橋に表示してあった標高値398mで高度計の値を修正。沢の取り付きで整置をきっちりとやっておく。当初は沢を詰めるつもりだったが早々に滑滝が表れて諦める。沢の右岸を辿るが若干左にそれていく。沢が緩やかになった所でそのズレを修正すべく右へ進路をふっていき、後は距離感と方向角(北からの角度)そして標高値を目安に行くと明瞭な沢の中に「8」はあった。ここは一旦ロストすると現在地の把握に苦労すると思ったのでホント良かった。オリエンテーリングで地図を読むとはその場所に行く事は大前提であり、いかに最短時間で行くのか?ここである。もちろんスキルによってもポストの設定によってもそのアプローチは変わっていくのだが、最短時間である事を追及していかないと上位には決して行けない。これは必ずしも最短距離とは限らないのがすごく重要なポイント。


残りは3つのポスト難しい所ではないので後はスピード勝負。稜線の舗装路は急勾配でほとんど走れず速歩で進む。三筋山はほんと気持ちいい所。芝生で覆われて開放的。箱庭的な麓の街並みや海をきれいに見渡す事ができた。ここはコース設定者が見せたかった景色だろう・・・ゴールへ向けての最後のご褒美と言った所か?レースでも無ければずっとこの景色を眺めていたい気分。
あとは細野高原のススキの中を気持ちよく走ってゴール。 4:56:19 2日目5位????かなりロスの多いコース取りだったし、走りも決して気合い入れていた訳でも無く?意外に良い結果に驚く。走行距離29Km累積標高差 1890mであった。2日間の合計は11:54:19で総合7位。まずまずといった所か?前日の結果からして他チームは結構浮き沈みがあった様子。


すでにゴールした人達は近くの芝生の上で寛いだり、それぞれのコース取りの話題で盛り上がっている。このみんなが満足そうにしているのを見ただけでいいイベントだったそう思えた。日本初のレースとの事で選手は皆手探りで挑んできた訳だが、実際やってみてそれぞれどう感じただろうか?予想通りの展開だったり?意外だったり?全然違ったり?色々な思いがあったと思う。基本的にはポイントオリエンテーリングだったが普段背負無い重い荷物を担ぎ、エイドを頼る事ができず、濡れた装備のままキャンプ。そして一番は走る事は問題無くてもナビゲーションのミスで簡単に順位を落してしまう事。思う様に展開していかないレース運びに、これを痛感したチームが多かったのではないだろうか?これは地図を読む事に慣れていないただこれだけ。普段の山でも積極的に地図を見る事は当然として、さらにはオリエンテーリング(ロゲイン)の大会に出る事が一番である。通常の地図読みではそれ程詳細に読み込む事はないが、オリエンテーリングだと微妙な地形の変化を読み取らせる設定がよくある。普通に登山道を辿り尾根谷を意識するだけの地図読みでは、なかなか実戦的な経験にならない。さらにはウエアの着方、補給食の摂り方、キャンプに関わる様々な経験、これら全てを背負った荷物で対応しなければいけない。こういった経験知識はこのOMMをそつなくこなすにはどれも欠かせない。これが「山の総合力」と言うべき所であろう。どれも通常の登山では普通にやっている事だが、慣れていない人では難しかったかもしれない。

これまでキャンプまで含んでのレースというのはこれまでほとんど無かったが、一回経験してその面白さに気付いた人も多かったと思う。装備を揃えるのにお金はかかるし、経験を積むのも時間はかかるけれど、このスタイルは多くの人に受け入れられていく筈。そしてレースに限らずこの最小限の装備で数日間縦走(走る走らないにかかわらず)していくスタイルはこれから実践していく人が増えていくだろう。実質的な内容は特段目新しいものでは無いが、その設定によって新しいジャンルとして今立ちあがった「OMM JAPAN  RACE」また一つ面白い事が増えた。

レポーター紹介
飯島 浩
飯島 浩

トレイルランナー
日本アルプスの麓、長野県をベースにトレイルランニングは勿論、MTBやテレマークスキーなどオールラウンドに山を楽しむ。