ひらく③
深甚なる危機の時代にあって、 人間と文明の本質を問い直すために──。 『ひらく』第❸号、ここに刊行!
日本と世界を大混乱に陥れたパンデミック──。 激しいグローバル競争のもとで、すでに経済を支える仕組みは、世界中で、危ういものとなっていました。また、過剰なまでの情報化は、われわれから、健全な常識や良識を奪い取っていました。 そうした状況に対して、新型コロナウイルスが突きつけたものは?──われわれの「生」を支える現代文明の皮膜が、いかに薄っぺらか、という事実ではないでしょうか。 パンデミックという事態を、真に深刻なものと認識するなら、それを現代文明の転機とし、われわれの死生観や文明観の見直しにつなげなければなりません。 『ひらく』はこの問いに、真摯に向き合います。
内容 目次
[巻頭特別対談]塩田千春×佐伯啓思魂の深淵を覗く[巻頭対談]山折哲雄×佐伯啓思「死」と「悪」をめぐって[100枚書下ろし(第❶特集)]佐伯啓思「資本主義の暴走」と「経済学の責任」[第❶特集]新・経済学批判[特集対談]堂目卓生×佐伯啓思[特集論考]松原隆一郎・広井良典・柴山桂太・清水 習[第❷特集]仏教と日本人[特集対談]佐々木閑×佐伯啓思[特集論考]末木文美士・賴住光子[特別対談]森田真生×佐伯啓思先崎彰容×與那覇 潤[論考]長谷川三千子・西平 直・荒川洋治・古田 亮・先崎彰容[特別論考(90枚書下ろし)]澤村修治[ひらくレビュー]寺下滝郎・藤本龍児・芦澤泰偉・赤津孝夫
監修
佐伯啓思 さえき・けいし1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任。現在京都大学名誉教授、京都大学こころの未来研究センター特任教授。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)『倫理としてのナショナリズム』『日本の愛国心』『大転換』『現代文明論講義』『反・幸福論』『経済学の犯罪』『西田幾多郎』『さらば、民主主義』『経済成長主義への訣別』『「脱」戦後のすすめ』など。近著に『「保守」のゆくえ』(中公新書ラクレ)『死と生』(新潮新書)『異論のススメ 正論のススメ』(A&F出版)など。