ひらく⑥
革新・成長・分配の三幅対を飾り、幸福になる「神話」にとりつかれた現代人。 そこから解き放たれる視座を、「ひらく」は真摯に志向します。
最新刊 第❻号は、現代のために「日本近代」を再考! すべての読書人のもとへ──充実の一冊です。
内容 目次
[巻頭言]佐伯啓思[ART]小沢 剛 近代美術という虚構 解説 古田 亮[特集]日本近代の思想[特集対談] 「近代」と「日本人」の情念筒井清忠 佐伯啓思[特集論考]佐伯啓思 日本近代、ふたつのディレンマ末木文美士 さまよえる霊魂 近代の中の来世と霊魂新保祐司 河上徹太郎の主題による変奏曲上野 誠 偉大なる対話者、鈴木大拙東洋的「一」と日本的霊性と小倉紀蔵 併合植民地の近代日本思想 明治仏教と朝鮮の関係を事例として先崎彰容 宗助はなぜ参禅したのか 日本近代における『門』古田 亮 小杉放菴 近代の風に吹かれて星山京子 平田国学 「和魂」と「異端」のパワー西出勇志 祈りの中の深謀と熱誠 葦津珍彦をめぐる私的断想澤村修治 翳 乃木希典論[特別連載] 平川祐弘 日本近代の歴史思想 第㊀回 私的回想[論考] 森 一郎 コロナ禍において見えてきたこと 革命論序説亀山隆彦 真言密教における真理と言葉 空海『弁顕密二教論』の思想的意義藤本龍児 オバマ以降の「黒人」問題 「建国の理念」とキリスト教伊藤由希子 〈生臭い〉綿ごみ 向田邦子が描いた「霊長類ヒト科動物」松原 始 カラスは今日もハードボイルド長谷川三千子 道元を読む㊅ 発心の逆説荒川洋治 書物のなかのローレライ吉岡 洋 美学のアップデート その③ 機械仕掛けの芸術清水 習 現代的主体性について寺下滝郎 ロジャー・スクルートン追想[書評]石川敬史 『「ポスト・アメリカニズム」の世紀』 藤本龍児 著[コラム]芦澤泰偉 本好きへの装幀噺 西部邁の本の装幀33冊赤津孝夫 縄文時代に思いを馳せる
監修
監修 佐伯啓思 さえき・けいし1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任。現在京都大学名誉教授、京都大学こころの未来研究センター特任教授。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)『倫理としてのナショナリズム』『日本の愛国心』『大転換』『現代文明論講義』『反・幸福論』『経済学の犯罪』『西田幾多郎』『さらば、民主主義』『経済成長主義への訣別』『「脱」戦後のすすめ』など。近著に『「保守」のゆくえ』(中公新書ラクレ)『死と生』(新潮新書)『異論のススメ 正論のススメ』(A&F出版)『近代の虚妄 現代文明論序説』(東洋経済新報社)など。