山で感じる季節の移ろい
2019.11.25 上野朋子

山で感じる季節の移ろい

山で感じる季節の移ろい

トレイルランナー 上野朋子

各地での台風や大雨による影響が相次いだ10月、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧を願っています。

台風の前、10月中旬、秋の空気が感じられるようになったこの日、友人とふと思い立って足を運んだのは立山エリアだった。紅葉前線も南下している情報もあり、ワクワクしながら向かった。ただ、少し前に痛めた足の調子が思わしくないこともあり、今回走りはナシ、秋の山を味わいながらのんびり過ごすことがこの日の目的だった。

立山における登山の拠点ともいえる室堂平は標高2450m、立山黒部アルペンルートのコース上にあり、長野県と富山県のそれぞれからアクセスすることができる。今回は、長野県側の大町市「扇沢駅」より電気バス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、立山トンネルロープウェイの各種乗り物を乗り継ぎ向かった。ちなみに、富山県側からもケーブルカーや電気バスが運行されている。いずれのルートもマイカーは規制されているものの、これらの交通機関を利用すればアクセスができることからも、国内外の観光客で賑わう人気のエリアだ。

この日は快晴ということもあり、カメラを片手に多くの人が紅葉を楽しんでいた。室堂駅周辺は混雑していることもあり、室堂山へと登り始めることにした。登山道へ入れば、人はまばらになるのが不思議だ。途中、眼下に見える、「みくりが池」が美しく青色に染まっており、目に留まった。山頂に向かい、その後、浄土山を経由してから雷鳥沢キャンプ場を目指した。

雷鳥沢キャンプ場は、とても整備の行き届いたキャンプ場だ。立山連峰を眺めながらのんびり過ごす。そして簡単に夕食をとりながら、夕日を眺める。山肌の色が少しずつ、繊細な色彩で変化する、いつまでも見ていられるほどの景色だった。キャンプ場から少し標高をあげると、大日連峰へと沈む夕日が見えた。稜線がなんとも美しい。ほどなくして、月が見えた。真っ暗な中での月明かりは山の影をうっすらと見渡せるほど明るかった。

翌朝は、天気が下り坂だったため、朝早く出発。大日岳をピストンすることにした。1日目とは反対側から立山三山と地獄谷を眺めると、ついつい足元は立ち止まってしまった。そして赤や黄色に染まる山々を見ながらの稜線歩きはなんとも贅沢だった。

普段、山を走っているときには素晴らしい景色も一瞬で過ぎ去ってしまうことがある。山が紅葉する時期もまた一瞬だなと感じる。室堂周辺はこのときですでに終盤に向かっており、冬の装いへと近づいていた。

たまには時間をかけて、山の姿をじっくりと眺めてみる、足元を感じてみる。自然の姿と向き合う、自分の体と心と向き合う(ときにのんびり過ごす)時間もまた格別だった。

雪のシーズンの終盤、春先にはこのエリアを滑っていた。季節の移ろいを改めて感じ、雪に覆われた山とはまた違った景色でこのフィールドの魅力を再発見することができた。

追記:
10月23日、この立山三山、室堂平には初冠雪の便りが届いたようだ。
紅葉は黒部ダム(1470m)あたりが見頃のようです。
このエリアの冬の装いももうすぐそこですね。

レポーター紹介
上野朋子
上野朋子

トレイルランナー
幼い頃から、家族の影響で登山・スキーなどのアウトドアに親しむ。中学・高校・大学はテニスに打ち込む日々。トレイルランニングには2009年頃に出会い、以降、レースにも参戦。同じころ、学生時代には一度離れたスキーを再開したこととも重なり、四季を通してその時々に合わせたフィールドで遊ぶ楽しみに惹かれる。現在も、冬場はスキーが中心。海外のレースへも挑戦し、初めて出会うトレイルを走る魅力、新しい土地での旅をしながら山を楽しむスタイルを追求している。
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