2016.02.05

ネイティブアメリカン毛布の歴史


ネイティブアメリカン毛布の歴史

1909年、オレゴン州ペンドルトンのオレゴントレイル沿いの鉄道末端にあった精錬工場を購入して以来、大恐慌による不況や戦争で軍隊向けに毛布を生産した時期を経て現在に至るまで、ビショップ家は、多くのネイティブアメリカンたちに高く称賛されるインディアン毛布やローブ、ショールを生産し続けてきました。

これらの製品が非常に人気を集めた理由の1つは、パターンデザイナーがネイティブの神話を学び、彼らの顧客がもつデザインの好みについて学ぶことを大事にしてきたことにあります。最初期には、ジャカード織機の扱いが天才的だったとされるジョー・ローンズリーが、色やデザインの好みを明らかにするために、北東オレゴンの先住民たちと一緒に過ごしました (これは今では「マーケットリサーチ」と呼ばれています)。そうしてネイティブの人々から集めたアイデアを解釈し、毛布をデザインしました。従来の技法では表現できない詳細なパターン表現や鮮やかな色合いを、現代の技術を用いて実現可能にしたのです。

この最初のデザインが成功したことを受け、ローンズリー氏は南西部の先住民たちと半年を過ごし、とくにこの地域の部族にアピールできるようなデザインのアイデアを練りました。そして彼は、製織のための数百のアイデアを抱えて戻ってきました。

コロンブス以前の北アメリカでは、毛布は大型あるいは小型の動物の毛皮を縫い合わせて作られるか、ウールや羽毛、ダウン、樹皮、綿を編み合わせて作られていました。地域によっては、細く裂いた杉の樹皮を用いているところもありました。ヨーロッパ人たちがこの国にやってきて現地の人々と物々交換をした時、ウールの毛布は非常に取引価値が高く、また、明るい色のものほど良いとされました。初期に取引されていた毛布の大部分は、伝統的なハドソン湾毛布のような、格子縞やブロックデザインでした。鮮明なカラーとシャープなディテールを持ったジャカード織のPendletonネイティブアメリカン毛布は、いわゆる「インディアン・トレード」に導入されると、大変な人気となりました。

車に山積みにされた毛布は、オレゴン州ペンドルトンから南西の部族まで運ばれ、そこで銀製の宝飾品やウール、その他の高価なものと交換されました。カラフルな毛布は、日常使いとして、そして儀式用として用いられるようになりました。結納品の一部として、結婚式に、贈り物として、祈祷儀式に、ダンスの賞品として、命名式に、そして葬儀や追悼式にと、様々な場面で用いられたのです。葬儀や追悼式では、大事な人が死後の旅で凍えることのないように、毛布が棺に詰められたり、棺が毛布で裏打ちされたりしました。

毛布には、経済的な視点からも価値がありました。しばらくの間、若い人々の間では、経済的苦難の場合に備えて2つのものが所持されていました。男性はBulova (ブローバ) の時計、女性は高級毛布です。これらはいずれも、時代が好転するまでの間を乗り切れるだけの、かなりの金額で質に入れることができたのです。ほとんどの所有者は、できるだけ早く毛布を取り戻そうと戻ってきました。

過去25年の間、Pendleton毛織工場は、レジェンダリーブランケットのシリーズを開発し続けてきました。それらは最初の、そして最も価値ある顧客たちが持つ信念や伝統に基づいたものなのです。

【PENDLETON】

 1863 年、イギリス人の毛織物職人であった Thomas Kay が渡米し、オレゴン州第 2 位の規模の毛織物工場運営支援にきたのをきっかけに、1889 年、アメリカ、オレゴン州セイラムに紡績工場を設立し、“ アメリカの良心 ” と呼ばれ愛され続けているウールアパレル・ブランケットブランド。

更に 1909 年には、Thomas の孫が、オレゴン州ペンデルトンの町に近代的な生産設備を備えた紡績工場を建設し、現在に至るまでPendleton の毛織工場の伝統が維持されています。

19 世紀初頭は、ネイティブアメリカン向けの交易ブランケットをそこで自社生産して販売しており、現在に至る様々なネイティブ柄の多くはそれに起因しています。その後、1930 年代には自動車文化開花と同時にモーターローブを開発。その後アウトドア・カントリーライフ向けの質実剛健なメンズウェア、ウィメンズウェアの生産も開始。戦時中は、米軍向けにウールブランケットや軍服なども製造しました。

60 年代には、USA チャートを席巻していたビーチボーイズが元々Pendleton 社のウールシャツを羽織って、Pendleton’s と名乗っていたのは有名な逸話です。 創業 150 年以上たった現在でも創業以来 4世代にわたるファミリー経営を行っており、ウールブランケットだけでなく HOME ウェア全般からファッション性に優れたウールアパレルウェアまで幅広く手掛け、現在では世界中で愛されるウールブランドとして古き良きアメリカンスタイルのファッションを提供し続けています。

取扱店舗に関しましては、店舗検索ページをご参照ください。

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