A&F BOOKSから『エッセンス・オブ・リバーズ』が出版されます。
2025年9月10日刊行予定の新刊『エッセンス・オブ・リバーズ』が出版されます。また、出版を記念して、A&Fカントリー渋谷スクランブルスクエア店でトークショーが開催されます。トークショー当日は書籍を先行発売致します。
『エッセンス・オブ・リバーズ』 川を愛する科学者の発見の旅
カートD.ファウシュ:著 東 知憲:訳
ISBN 978-4-909355-51-5 C0040
四六判 並製変形) 336頁 定価2,700円+税
深い自然のなかにいるとき私たちの
存在は満たされる。
川とは大地の命をつなぎ人々の絆を
結ぶものなのだと、この本から教えられた。
探検家・ノンフィクション作家 角幡唯介
河川生態学の最先端を切り開いた
気鋭の研究者・中野繁さんとの出会いと別れ
「書籍について」
古来、人は川に生活の糧を、楽しみを、そして癒しを求めてきた。しかし、現代社会は川をあまりにおろそかにしてきた。川を取り巻く状況はとても厳しい。川の生態系は悪化しており、人類が健全であるためにも河川環境の整備が重要だ。川は私たちに水と食料を供給するだけではなく、人類が進化の過程で受け継いできた深い欲求を満たし、魂の深い渇望を癒してくれる。河川はこれからどうなるのだろうか? 川と周辺環境の相互的作用を認める「リバースケープ」という考え方のもと、研究者が解き明かした繊細かつ壮大な世界。水の中を覗き込む勇気をもとう。
「著者 Kurt Fauschメッセージ」
本書『エッセンス・オブ・リバーズ』は、私の半生を費やして行った旅の記録です。それを通じ、私は魚と人間の両方にとって、なぜ川が欠かせないのかを理解するようになりました。スタートは日本。そこで私は中野繁という研究者に出会い、北海道のイワナ属を調べるようになったのです。その後で私は研究の舞台をコロラド州に移し、川と魚に対する脅威について仲間たちと調査を行いました。森や音楽、そして健康と同じように、川は私たちに与えられたすばらしい贈り物です。もしそれを守ろうと思うなら、なぜ私たちがそれを愛するのか、理解することから始めなければならないでしょう。
著者 プロフィール
カートD. ファウシュ Kurt D. Fausch
コロラド州立大学の魚類・野生動物・保全生物学科に勤続30年以上、現在は名誉教授。2015年に、自然環境をテーマとしたノンフィクション文学を対象とする Sigurd F. Olson Nature Writing Award を受賞。近著に、本書の続編である A Reverence for Rivers がある。米国コロラド州在住。
「訳者 東 知憲メッセージ」
「玉ねぎのように」多層的な本。斬新な仮説がいかに証明されていくかを記録した、ユニークなサイエンス・ドキュメンタリーであると同時に、生涯の友との出会いと別れのエピソード、河川生態学の基本、水にまつわる哲学的な考察も本書の大きな柱です。もともといた場所で尊重し愛されている在来の魚が、すこし離れた別の場所ではアグレッシブで侵略的な外来種になりうるという事例も示されています。さまざまなコンテンツを貫くキーワードは「愛」と「時間」。自然や釣りをする人、生態学に興味がある人、関連の学生諸君に、ぜひ読んで欲しいと思います。
訳者 プロフィール
東知憲(ひがし とものり)
東京外国語大学卒業(米文学専攻)。アウトドア領域で活動する翻訳者・執筆者。訳書はギーラック『トラウトバム』(つり人社)、フィットロック『L. L. Bean フライフィッシング・ハンドブック』(翔泳社)、シュイナード他『シンプル・フライフィッシング』(地球丸)など多数。
トークショー「川と魚、中野繁さんとカートさんの話」
出版を記念して、A&Fカントリー渋谷スクランブルスクエア店でトークショーが開催されます。トークショー当日は書籍を先行発売致します。
開催日:2025年8月28日(木)18:30~20:00
開催場所:A&Fカントリー渋谷スクランブルスクエア店
https://aandf.co.jp/stores/afcountry/shibuya_scramble_square
※下記のフォームからお申し込みいただくと、お席にご案内のうえ、ご覧いただけます。
カート・ファウシュさんの著書『エッセンス・オブ・リバーズ』の出版を記念して、彼とかかわりの深い3人が集まります。谷口義則さんはコロラド州立大学に入ってカートさんの下で学び、後に日本に戻って中野繁さんの弟子にもなった方。坪井潤一さんはカートさんとも個人的な親交をお持ちの、水産研究・教育機構に在籍される研究者。釣りの世界と研究の世界を橋渡ししてくれる稀有な人材です。東知憲さんは釣り人で、同書の翻訳者です。
カートさんとともに、この本の軸となる存在は中野繁さん。その理論と斬新な研究手法により、河川生態学におけるロックスター的な位置に登りつめましたが、悲劇的な海難事故により若くして亡くなっています。いまだに多大な影響を持つ中野さんの業績を振り返り、川を中心として展開する「リバースケープ」について3人が話を交わします。